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たまには 森について 話をしましょう
どうやら 森というのは 思考に深く関係があるようで
ある朝 森は また出現した
今度は中へ どんどん進んでいく
*
ある国の ある物語のなかでは 森が様々な場合に
どこからかどこかへ抜けるための 道なき道として 出てきます
不思議なことにそこには 共通点があって その森に入ったものたちは
自分の名前や出身地 どこから来てどこへ行こうとしているのか
また 大切な人のことさえ忘れてしまうのです
*
森に囲まれた城 森に囲まれたみずうみ など
森の中で暮らし続けている人もいます
また深く迷路のような悲しみや空虚のな中で 森をさまよう人々もいます
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森の奥深くには 銀の池があります
ある月夜 真珠のおつきさまは言いました
「あなたはどこに行きたいのですか?」
「わかりません」
足が止まってしまった 空が灰をこぼしたように
どんよりとベールを降ろし 辺りを溶かしているようだった
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森という考えの自然空間を 歩きまわる場合
結局ははじまりに戻るという場合が多い
ちょっと入り口から入ってみて
思いのほか深くまで入ってしまい これはまずいぞって慌てて
どうにかでなくちゃと必死になり
そしてやっとの思いで出てくる
「やったでてきたぞ」って 達成感いっぱいだけど
はじまりに 戻っただけのこと
*
でもね 森の中で珍しい人に会うこともある
その人は言った
この森を自由に出現させて そこを逃げ場ではなく
アトリエみたいにしちゃえばいいのよ と