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moln

Diary

イギリスで買い付けたものを段ボールから出して、
ひとつひとつ厳重なラッピングから剥がして手にしているうちに、
心がサワサワしてきた。
ふと、私は「molnでは、ものを売っているんじゃないなぁ」と思った。
ものには、命はないけれど、ものも気配みたいなものを宿している。
ものが持つメッセージ性、というよりもっと曖昧模糊とした気配。
脚色を加えなくては、美しく整った物語にはならないけれど、
物語になるまえの原石みたいな予感。
それは、人と人が出会い、恋が始まるときに感じる予感に似ていて、
確かなことはまだ何もなくて、ただお互い感じる引力だけが確かな存在感。
私がお店をやっているのは、ものとひとを繋げるため。
ものともの、人と人、ものと人の橋渡しのために、私はここにいるのかな、とおもう。
もの、がなんとなく出会いたい人。
人が、どうしても出会いたいもの。
出会いは化学反応で、そこから動き始まる新しい展開を誰もが待ち望んでいる。
だから私はものと共にここにいて、誰かを待っている。
ところで、もの言わぬものの心は、あまりにも可愛いのです。
もの言えぬ恥ずかしがり屋のものの小さな声に、ぜひとも一度耳をすませてみてください。
大きな声は黙っていても聞こえてくるけれど、小さな声はこちらから近づかなくては、ちゃんと聞こえないから。

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